
関西弁で詩を書く玉川侑香は、父親の死後、
大量の原稿用紙にまとめられた戦争中の手記を見つける。
初めて目に触れたそれらは、若き日の父が体験した生々しい戦争の記録だった。
玉川は出版することを決めるが、膨大な量であるためにまとまらず、
思案していたところ、ふと「詩」で表現してみようと思い立った。
父は第二次世界大戦中、軍属として、インドネシア・アンボン島で「戦時木造船」造りに従事していた。
物語は島の集落を訪ね、人夫や木材伐採の協力を得て、造船所を造ることから始まる。
激しい空襲に見舞われながらの船造り、途中何度もくじけながらも、
大自然と共に生きる現地の人々の生き様に触れ、触発される日々。
戦争が怖くて逃げ出したい男が、思いとは裏腹に悲惨な戦争に巻き込まれながらも、
ひょうきんな性格ゆえの人との触れ合い、出来事に感動した気持ちが素直に表現される。
作者独特の軽快な言葉運びで紡いでいく、戦争記でありながらも、
人間味がにじむポエムストーリー。壺井繁治賞受賞作品。
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