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猫とどんぐりのほっこりするお話

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猫の話

隣の家の庭には、大きなどんぐりの木があって、季節になったら、風を受けて地上に降りそそぐ。

道端にもころころ転がって、この時期は「どんぐりころころ」の童謡を思い出す。

昨年秋、布団を上げたら、なぜかどんぐりが一杯。

不思議に思っていると、部屋の隅や廊下のあちらこちらにどんぐりが転がっている。

廊下ではいつも、生後半年の子猫たちが走り回っているけれど、最近はこのどんぐりを転がして、夢中になっている。

でもなんで、どんぐりが家の中に?

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謎が解けた

縁側で洗濯物を干していると、五つ子の子猫のうちの、二番目に小さなミミが、隣家との境の塀の上を小走りでこちらに向かってくる。

口に何か咥えてるようで、あ~また虫を捕まえてきたのか・・少し嫌な気分。

子猫たちはカマキリやらキリギリスやら、家の中に持って帰って遊ぶ。ゴミだと思って拾うと、虫の半身だったりで、ぎょっとするのだ。

でもよく見ると、口の中に納まっているので、小さいものみたい・・ミミは縁側に入ると、嬉しそうにピッと吐き出した。

それがどんぐり!

「あ~、こうやって持って帰ってくるのか・・」謎は解けた。

吐き出したどんぐりを、さっそく前足で飛ばして、それに向かって走り出す。

ううむむ・・何とも可愛い、可愛すぎる。猫好き私はここで悶絶・・

五つ子猫は皆、真っ黒で、男の子2匹は体の大きさで区別できるが、女の子3匹はわかりづらい。

で、2匹に首輪を付けて、ようやく見分けが着くようにした。

全員甘えたさんだが、甘え方が違っている。

仕草も声もお顔も愛くるしいミミ

ミミは小ぶりな猫で、昼間の私の膝に乗ってくるか、横で寝ている。

トイレにいつもくっついてくるから、気づかず閉じ込めてしまうことがある。

私が家の中を移動するときに、足に絡みつくので、歩けないこともしばしば。

「何か欲しいの?」と聞いても、食べ物が欲しいわけではなく、ただ絡みつきたいようだ。

顔も手足も小さくて、所作が可愛い。なので、どんぐりで遊ぶ風景が本当になごむ。

でも、どんぐりを転がして遊ぶなんて、いいおもちゃを見つけたね!

これまでの歴代猫は誰も、そのことには気づいてなかったよ。

今は2月に入ったが、どんぐりは片づけても片づけても、どんどん増えている。

殻が割れているので、咬んだりもしている。やっぱり子猫であっても、猫の歯は優秀な道具なんだ!

鶏ガラもガリガリ食べれるのに納得!

いつかは食べたい、どんぐり

これは食用にもなるどんぐりで、調理しようかと思った時もあったけど、母の介護があったので、なかなかそんなサバイバルまで手を出せなかった。

でも一時は、ヨモギやカラスノエンドウなど野草を近所に取りに行って、自然を取り入れた毎日の食卓を夢見ていたこともあった。

ミミが拾ってくれるのなら、どんぐりも食べてみようかな、いつかね。

猫も食べるかなぁ・・

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